日記・コラム・つぶやき

2008年10月19日 (日)

金融と陰陽五行

知人のブログに金融危機のことが書いてありました。

その方は

「株など持たないし、生命保険にも加入していないから自分には関係ない」

というのです。

わたしも株など持たないし貯金もありませんから、直接の関係はありません。

しかし、

と、そのブログに別の方がコメントを寄せていました。

「政府も企業も為替や株で資金を運用している。

もはや誰もが金融の影響下にあって、そこから逃れることはできないのだ」

と。

これもまた正しい意見でしょう。

知人は博識と見識のある人ですから株の暴落は持たない人にも大きな影響を与えていることは十分承知の上で冗談で書いたのです。そこに別の方がまじめにコメントを付けたようです。

そこから東洋医療入門に関わることに思いが至りました。

中国に古くから伝わる考え方として「陰陽五行」というものがあります。

「陰陽」は月と太陽のこと。

現象の中にそれぞれ月と太陽のように相反する性質を見出していく思考方法です。

それは弁証法の「正」と「反」を「止揚」して「合」という結論を見出していくという思考の運動に似ています。

指圧の恩師増永静人先生も「陰陽と」いう考え方はよく利用されていました。

しかし、先生は「五行」は採用されませんでした。

理由は分かりませんが、きっと「五行」はあまりにも観念的過ぎて指圧や医療を解くための論拠として役に立たないと考えられたのでしょう。

「五行」とは森羅万象は「木・火・土・金・水」の五つの要素からなり、それらが影響し合っているという考え方です。この考え方は政治や経済、医療、戦略、易、暦など広く用いられています。

森羅万象をいくつかの要素に分ける思考方法は中国独自のものではありません。古代ギリシャにも似た考えはあったようですし、古代インドから中国に伝わったという説もあります。

五行説では

「木は火を産み、火は土を産む。土は金を産み、金は水を産む。水は木を産む」

という円環があるとしています。これを相生関係といいます。母子関係ともいいます。

さらに、

「木は土を攻め、土は水を攻め、水は火を攻め、火は木を攻める」

という関係があり、これを相剋関係と呼びます。

身体でいうと

「肝は木で、心は火、脾は土、肺は金、腎は水」。

ただしこれら内臓は古典医学の物で現代医学のそれとは異なります。

五行で考えると肝は心臓母となり、肝は脾を攻めるということになります。

鍼灸や漢方では現在でもこの考え方を採用しているグループがあります。また否定しているグループもあります。

先述したように、増永先生は「陰陽」は採用したのですが、「五行」は論理として採用するには根拠がないのでしょう、否定的でした。わたしも「陰陽」はものの見方として利用しますが、「五行」は知識として留めています。

では「五行」をどう捉えたらいいのでしょうか。

わたしは「五行」は全てのものは互いに関連し合っているという思想のモデルだと考えています。森羅万象は全て関係の中に成立しています。一つのものだけが孤立しているわけではありません。科学ではそれを敢えて個別の物として抽出して研究しています。しかしそれをそのまま現実に置き換えることはできません。

「五行」はそうした関係性の中に森羅万象が存在していると教えてくれているのです。

冒頭の話題に戻りましょう。

経済も金融も政治も同じです。わたしたちはそれらとの関係の中にあって存在しています。時に翻弄され、時に利用し。

株価の暴落は否応なく生活に影響してきます。これが「五行」の説く関係なのです。

先のブログに書いた人は続けて

「いずれ国内だけで生活や経済の基盤ができればいいが、それは無理な話でしょう」

というようなことを書いていました。全くその通り、無理だと思います。

鎖国時代の1734年、一冊の本がオランダで出版されました。解剖図譜「ターヘルアナトミア」です。それから40年後、わずか40年後に「解体新書」として翻訳されました。あの鎖国時代においてさえこの影響力。これ以後日本の医療は大きく変わっていきます。「風が吹くと桶屋が儲かる」というよに遠い変化も何らかの影響力を持って関係してい来るのです。

地球環境も、また金融や為替のような社会環境も、一見、離れたところにあるように見えて、実は生活に大きな影響を与えてきます。こうした関係を離れて、つまり自然や社会、あるいは時間的な関係も無視できない、これが「五行」の意味するところなのでしょう。

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2008年10月14日 (火)

環境や食糧問題のブログ

環境問題や食糧問題、こうした疑問に対して参考にするブログがいくつかあります。

それらは一般のマスコミの論調とは明らかに異なっています。

地球温暖化に否を唱えたり、食料自給率を上げることへの問題点などを別の視点から分かりやすく書いてあるのです。

参考にしてみてください。

武田邦彦(中部大学)

http://takedanet.com/

うなぎを見れば日本が見える

http://unagi-kiken.seesaa.net/

森羅情報サービス

http://www.kenji.ne.jp/blog/

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2006年4月 9日 (日)

Cさんの結婚パーティー

 4月7日夜、長年身体調整に来室して下さっている米国人Cさんの結婚パーティーがありました。結婚相手は日本人女性Yさん。一回り以上若い娘さんです。Cさんは190数センチという長身なので、治療室で鉢合わせたことのある方は、「ああ、彼か」と思い当たることでしょう。

 二人の付き合いは数年に及ぶでしょうか。国を跨いでの結婚ですから宗教や国籍など色々な困難があったと思います。ともかくおめでとうございます。

 わたしの治療室の壁に怪しいお面が掛かっています。気づかれた方もあるでしょう。あれはカメルーン(アフリカ)のお面で、現地の方はその面を被って踊ったりするそうです。なぜアフリカの面がうちにあるのか。実はそのお面はCさんの兄Dさんのお土産なのです。ちょっとCさんに似ています(汗)。

Vfsh00082  兄のDさんは10数年前、指圧教室に来ていた外国人生徒第一期生でした。別に何期生という呼び方は無いのですが便宜上そう呼びます。なぜなら外国人クラスはBさん(先月米国から指圧の勉強に来ていたFさんのお母さん)、Sさんという米国人女性、Cさんの兄のDさんに加えてTさんというカナダ人青年の4名からスタートしたからです。

 Dさんはお母さんが病気で長くないということで急遽帰国しました。そしてその後、弟のCさんが来日したのです。もっともCさんにとっては二度目の日本生活で、最初から達者な日本語を操っていました。日本語の新聞も読めます。

 二人の祝賀パーティーは伏見のtiger cafeで催されました。50名ほど集まったでしょうか。3分の2は外国人。驚いたことに皆さん日本語がとても上手。Cさんが闊達に喋るので類は友を呼ぶのですね。

 たまたま同席したJというカナダ人紳士は、乾杯するやいなや話しかけてきました。
「夕べ二回も蚊の音に目が覚めたよ。これは地球の温暖化のせいかな。今年の冬は寒かったけどね。カナダでは白熊が乗る氷が溶けて、アザラシが捕まえられなくて困っているよ」「そういえば、マラリア蚊が日本でも越冬するらしいですね」「そうそう、怖いねえ・・・」

 中学や高校で英語を指導してるJさんはとてもお喋り。それにしても外国人は初対面でもいきなり政治や環境問題など話題にすると聞いていましたがまさにその通りでした。

 その後も、色々な人が入れ替わり立ち代りやって来ては去っていきましたが、ほとんど英語を使うことはありませんでした。

 唯一、英語を使ったのは皮肉なことに旧知のM女史。彼女もうちのクライアントです。彼女は17年も日本で暮らしているにもかかわらず日本語を話しません。これも一つの信念です。

 2時間のパーティはあっという間に終了。わたしはすぐに辞退しましたが、半分以上は居残り、さらに花見に出かけたそうです。

 いずれにしましても外国人パーティーを楽しく味わうことができました。

 Cさん、Yさん、末永くお幸せに。

http://homepage3.nifty.com/yukijuku/

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2006年2月26日 (日)

親子二代

今、アメリカからFさんが指圧の勉強に来ています。

彼女は日本で生まれ、9歳まで滞日した米国人。今年20歳になります。

高校を出た後、二年かけて米国のマッサージ公認ライセンスを取得したそうです。さらに技術を深めるべく指圧の勉強に一ヶ月ほど時間を作ってやってきました。

彼女のお母さんはわたしの最初の外国人生徒。

幼稚園が休みのときなど、Fさんもお母さんについてやってきました。そしてお母さんが練習中、部屋の隅やバルコニーで色々悪戯をしていたものです。彼女はアイスクリームのポスターに登場したこともある愛らしさから教室の人気者でした。

それから幾星霜。立派な大人になっての再来日。

考えてみると親子二代にわたって指導することになります。これは恐ろしいことです。

わたしを思い出して娘をはるばる日本まで送り込んだ両親の記憶と英断に感動すると共に、改めて鏡に写った自分の顔のシワ、シミ、白髪という老いの3Sに見入らずにはおれませんでした。

そこには時間が刻まれているのです。

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h-mishima@nifty.com

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