肩凝りと指圧
肩凝りと指圧
三島広志
肩凝り
肩凝りは、肩や首、胸や背中腕の付け根の筋肉が堅くなって動きが悪くなったり重苦しくなって、うっとおしく、はなはだしいときは、手がしびれたり、歯が浮いたり、首が回らなくなったり、頭が痛くなったり、耳鳴りがしたり、
胸が苦しくなったりします。
原因
身体的なものと精神的なもの、環境によるものがあります。
身体的原因
筋肉の疲労
仕事の質や量によって肩が凝ります。
タイピスト、ピアニスト、理容師、植木屋などのように手を酷使する仕事、長い間カバンを持っていたり、スポーツのやり過ぎでもなります。
脊椎の変位
首の骨や背骨に歪みがあります。ひどいときは腕がしびれたり、腕に行く血の流れがわるくなります。整形外科の診察が必要な場合もあります。
筋肉の病気
リウマチが主。専門医との協力が必要です。ホルモンのアンバランス女性の更年期に顕著に表れます。
内臓から
胃や心臓が悪いと左肩、肝臓が悪いと右肩が凝りやすいと言われています。
悪い姿勢
骨盤の上に背骨が、背骨の上に頭がきちんと乗っていると肩凝りにはなりにくいのです。
事故
典型的なものは車の事故によるムチウチ症。階段から落ちたり自転車で転んでもなります。
腹部のうっ血や足の緊張を除く治療が大切。
精神的原因
不安や心配などの神経の緊張が長く続くと肩凝りになります。
自分を守るために鎧(よろい)を着たようになるのです。
逆に筋肉を緩めると精神的にリラックスできることも知られています。
環境
あまりに厳しい仕事や人間関係は身体的、精神的緊張を強います。それらによって肩凝りが生じることも多いのです。
個人の力ではなんともならない問題ですが、これも筋肉を緩める練習が役にたちます。
調整方法
指圧療法
指圧により以下の効果が期待できます。
ツボ刺激・・ツボ刺激によるさまざまな効果
脊椎調整効果・・静かで安全な整体効果
循環促進・・血液やリンパの循環促進
心理効果・・触れられることによりリラックス
呼吸運動・・意識的に呼吸法を取り入れるとさらに精神的なリラックス
指圧の三原則
技の三原則
1 垂直圧・・体表もしくはコリに垂直に圧をかける
2 持続圧・・一定の圧を数秒から数分持続する
3 支え圧・・安定のために体を支えるように圧をかける。また自分の体が相手に支えられるように圧をかける。
心の三原則
1 集中・・気を集中する
2 共感・・相手の苦痛に共感する。同情ではない。
3 三昧・・指圧をする人、受ける人双方が一種の瞑想のような深いリラックスに至る
技法
圧法・・一般的なもの。手のひらや指などで体を圧する。
運動法・・関節を可動域一杯に動かす。
伸展法・・筋肉や経絡をしずかに伸ばす。
矯正法・・骨格の歪みに対して瞬間的な圧をかけて可動性を引き出す。
注意事項
指圧する人
心身を整え、精神をゆったり統一する。
ふざけたり、無理強いしない。手指を清潔にし爪を切っておく。
室温は暖かく。
指圧を受ける人
気を楽にしてすべてをゆだねる。
前もって排泄をすませておく。
ゆったりとした肌触りのよい薄手の服で(綿が最適)、アクセサリーは外しておく。
入浴、食事の前後1時間は避け、指圧後15分位くつろぐ。
循環を良くし、代謝を高めるために水もしくは白湯をコップ1から2杯飲む。
してはいけない場合
病気、症状によってはその患部
原則として妊娠初期(4カ月くらいまで、それ以後でも不安定なとき)
高熱、化膿性疾患、伝染病、
症状が激しいとき、
泥酔、体力消耗がはなはだしいとき
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