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2011年8月29日 (月)

游氣風信 No.197 2007. 1.1

謹賀新年
                                   2007年 元旦
 年頭に当って幾つかの目標を掲示しておきます。根が怠け者ですから披露することで自分に 圧力をかけることにしました。順不同で思いつくままに書いていきます。

まず最初の目標。それは『游氣風信』の継続発行です。昨年は滞りつつもなんとか『游氣風信』を発行してまいりました。今年も毎月とはまいりませんが、思い出したように発行してまいります。
顧みれば一九九〇年一月から毎月発行、今号で197号になります。ここ二、三年は毎月出していませんからペースダウンですが、今年前半には通巻で200号にいくことでしょう。

この継続が今年の大きな目標のひとつです。

 二番目の目標は「游氣塾経絡導引教室」の継続です。昨年秋から始めました経絡導引教室 はこれからの人生の大事なテーマとしてゆっくりと熟成してまいります。

わたしが東洋医療に関心を抱いたのが高校生の時。大学を卒業後鍼灸の専門学校に入り、以後は一貫して指圧を中心とした手技治療と鍼、在宅患者の訪問リハビリマッサージを行なって今年で三十年近くなります。
しかしその過去は病気や病人を総体的にとらえる治療家としてよりも手技の職人として些か偏向した形で生きてきた観は否めません。そこであらためて東洋医療の背景から病人や症状を検討し、治療のために本当に必要な技術を的確な形で皆さんと共有したいと考えます。

東洋医療の知恵を活かし、ひとりひとりが身体や呼吸、生活環境や季節と向き合ってよりよい人生を味わう。その一助としてこの講座が参加者の共力で完成されていくならば素晴らしいものだと思います。

わたしも今年で五十三歳。そうした集大成に向けて一歩を踏み出しても遅くない年齢になりました。子曰く「五十にして天命を知る」。ここらが自分の着陸地点かなと考えるこの頃です。むろんその最終到達地点は更に先にあり峻険たる山容をもってこちらに挑戦を挑んできます。そこへ向う足がかりとしての導引教室を皆さんと一緒に歩んで行けたら素晴らしいと考えます。

興味がございましたらぜひご参加ください。火曜日と土曜日の午前十時半からです。

この教室とも関わりのあることですが、一月最後の金曜日と二月初めの金曜日にはここ数年の恒例となりました名古屋市高年大学鯱城学園で講義。「暮らしに活かす東洋医学」というテーマで東洋医療の基礎概念と経絡やツボの話をします。この内容は導引教室で行っているものを一時間半にまとめたものとなります。

三番目の目標は鍼技術の向上と拡大です。
先ほど述べましたように東洋医療の背景から病人や症状を検討し、治療のために本当に必要な技術を的確な形で提供するのがわたしの本来の業務です。そのために先人たちによって築き上げられてきた鍼の技術をしっかり勉強し、日常の臨床で自在に応用できるよう修練しなおす決意です。

もともとこの世界に入った大きな理由は増永静人という方の指圧の理論と技術に憧憬を抱き、運良く短い年月ながらも親炙できたからです。しかしその世界は先生本来の素質と直接しており、どんなに努力しても到達できない世界でもあります。そこで足りない部分は鍼灸治療や様々な手技治療を併用して補おうとしてきました。

今年はその軸足を思い切って鍼灸に移そうと思うのです。増永指圧の世界も大きく深いのでが、同様に鍼の奥深さも計り知れません。今年はもっと鍼の技術を深めると共にさまざまな方法を紐解いてより臨床技術を鍛え上げたいと考えています。

今日、わたしたちの心身や健康問題はほぼ西洋医学とそれに基づく医療や保健によって構造的に管理されていますが、その管理からこぼれた人たちは代替医療(民間医療や伝承医療、健康法などの総称)に足を向けます。
その中でも鍼灸は国家資格として民間療法と国家制度の中間に存在する独特の医療です。
そもそも鍼灸も按摩も奈良時代以前に中国から伝来し、国家管理の下で日本独自の体系を作り上げてきました。その膨大な体系を少しでも自分のものにするためには日々の研鑽が必須となります。是非頑張って継続したいものです。
四番目。これは訪問リハビリ・マッサージ。在宅療養を余儀なくされている方のための健康保険対応による訪問治療です。これには治療歴と全く同じ期間関与し、福祉の勉強のためにケアマネージャーの資格も取得しました。しかしこの資格は十分に活かしきれていませんので、福祉と社会環境に関わる部分の勉強も手を抜かず細々ながらも実施していきます。

さて最後は趣味の分野。
現在所属している俳句結社「藍生(あおい)」に毎月「俳句とからだ」というタイトルで短文を連載しています。これは趣味の俳句と身体に関わる仕事の両者に跨りますから、ちょうど仕事と趣味の橋渡しになるものでしょう。改めて俳句を作ること、味わうことと身体の関係性を問う機会にしています。ちょっと生硬で読み難い文章となっていますがそれはわたしの能力がその程度だからです。ある分量がまとまったらいずれ『游氣風信』で紹介したいと思っています。

この試みが俳句にも治療にも生きてくるといいのですが先はまだ遠い山嶺として霞の先にあります。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

色々書きました。はたしてどこまで実行できるかは分かりません。いずれも数値目標として明示できるものではありません。むしろ全ては過去から未来への過程に過ぎないもので、目標と言うよりは継続を鼓舞するものでしかありません。しかし、しっかりとそちらに向って歩き続ける。これが今年の目標です。

あとがき

 もうひとつ。一昨年秋から始めた空手。極真空手(松井派)の世界チャンピオン木山仁師 範の道場です。目下十級のオレンジ帯。これを青色(八・七級)に変えることも今年の目標 です。

 皆様、よいお年を。
                                       (游)

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