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2011年8月29日 (月)

游氣風信 No.205 2009. 3.4

●花粉症治療
今年も花粉症の季節がやってきました。この病気はある日突然免疫機構に何らかの変化が生
じて発症します。症状は免疫力の低下と同時に軽減しますから、加齢によって治るケースも
あります。

予防
マスクやメガネなどで花粉に被爆しないよう心がけることが最大の予防となります。
それに加えて冷えが影響するとされています。
冷えは西洋医学には無い概念ですが、東洋医療では重要視しています。
寒中、沈潜していた身中の陽気が春になって発揚すると同時に肝の氣が高まることで花粉症
が発症すると考えます。したがって寒中に身体を冷やす食べ物を摂取したり、生活をしてい
ると春に花粉症がひどくなる傾向があります。極力、生野菜や冷たい食物、ビールなどの摂
取を控え、寝る前には半身浴などで臍から下を暖めておくことが重要です。

治療
鍼治療で症状を軽減することが可能です。直接顔に鍼(鼻通、迎香、睛明、攅竹、神庭、上星、太陽などのツボ)をして症状の寛解を目指すと同時に、足の太衝や三里、手の
合谷や三里、おなかを温める臍周囲への鍼で対応します。

今年は花粉量も多いそうです。花粉症で辛いと訴えられる方が増えてきましたので、三島治
療室では花粉症でお悩みの方に特別治療として、1回3,000円(約30分)のコースを
設けました。
回数券は10回25,000円です。(指圧や脊柱の調整などは別料金になります。)






●保険治療
最近、保険治療に関するお問い合わせが度々ありますからご説明します。

鍼灸
健康保険による鍼灸治療は四肢や首、背中などに疼痛を伴う以下の疾患です。
 神経痛 
 五十肩
 リウマチ
 腰痛症 
 頚腕症候群
 頚椎捻挫後遺症(ムチウチ)
その他の疾患でも利用できることがありますからお尋ねください。

マッサージ
健康保険によるマッサージ治療は麻痺性疾患、関節拘縮、筋萎縮、廃用性萎縮などによって
運動機能障害を起こしているものです。具体的な病名では
 脳血管障害後遺症
 中枢性疾患
 外傷性の麻痺
 その他、神経性疾患、筋肉や関節の障害
三島治療室では上記の状況で歩行困難な方への訪問リハビリマッサージを行っています。
詳細はお問い合わせください。また介護保険を受けておられる方はケアマネージャーにお尋
ねしていただいても結構です。

同意書
鍼灸およびマッサージの保険治療を受けるための絶対条件は医師から同意をいただくことで
す。同意をいただいたら同意書に記入していただきます。これによって保険治療が可能です。
会社の組合保険では鍼灸などを認めていないところもあります。これはどうしようもありません。
同じ疾患で医師や他の医療機関にかかっているときは治療できません。一度ご相談ください。
同意書は三島治療室にあります。

治療代
鍼灸は
初回 2710円
以後 1525円
と決まっています。

お支払いはそれらの金額の1割から3割となりますから、一般は1回500円、高齢者は150
円が窓口での支払いです。
別途指圧や脊柱調整、テーピングなどは実費をいただきます。

マッサージは部位や訪問距離で異なりますから、ご相談ください。目安としては
1回260円から780円
です。訪問マッサージ対象の方の多くは障害認定を受けておられます。その方は無料で訪問
リハビリマッサージが可能です。









游々雑感
以下はブログに掲載したものです

2009年1月24日 (土)
高年大学
昨日、名古屋市高年大学鯱城学園で講義をしてきました。そこは中区の消防署の上にある立派な施設です。今年で講義すること8年目。

当初は受講者がおじいさんやおばあさんばかりだと思っていましたが、いつしか自分も入学資格に近付いてきたことを実感しています。入学資格は60歳です。

演目は「からだで学ぶ東洋医療」。医学と医療の違いや、中国の古い考え方である陰陽五行を説明しました。漢方医学の根本は「天人合一」。外部環境である大宇宙と内部環境である小宇宙(人体)との調和が大事だということです。

講義の中で、身体は外部環境である空、陸、海を体内に取り込むことでいのちを保持しているという話をしました。
空とは呼吸で吸い込む空気。東洋医療では天の気といいます。これは肺として存在します。
陸は腸を中心とした消化器。地の気をいのちに変える器官です。面白いことに畑の土に有用菌がいるのと同じように腸内細菌がいます。
海は血液。いのちは海に産まれ陸に上がりました。その時、体内に海を維持することでそれが可能になったのです。血液とはまさに体内にある海。血潮とはうまく言ったものと感心しています。これら陸海空を体内に持つことでいのちを保っているのです。

という話をすると以前の学生さんは「陸海空なんて、まるで軍隊みたいだ」と反応しました。多くの方が軍隊経験者だったのです。ところが今の学生さんに軍隊経験はありません。
8年という年月の重さに気づかされました。

同じ内容の講義を今度は別のクラスで2月6日に行います。
(追記:二日とも楽しく授業をすることができました。生徒さんの受けも良かった感じです)

2009年2月12日 (木)
後期高齢者医療制度とは
10日、愛知学院大学のモーニングセミナーに参加しました。
第35回の演題は
「後期高齢者医療制度とはどんな制度なのか?
―我々が必ず経験する医療制度なのに・・よく分からない?!―」
講師は名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授澤野孝一郎先生。三十代の俊英です。高齢者を前にできるだけ分かりやすく話そうと心がけられているようすに好感が持てました。

例によって近々愛知学院大学のHPにその日の資料と動画が掲載されますから詳細の報告は止めます。http://www.agu-web.jp/~seminar/

当日印象に残ったことは高年者医療制度の変遷と平均寿命の話でした。

高年者医療制度は次のような歴史区分ができます。以下は当日の資料からです。

老人医療
1973年(昭和48年)より 70歳以上 
自己負担無料
老人保健 
1983年(昭和58年)より 70歳以上 
自己負担定額
前期高齢者医療 
2008年(平成20年)より 65歳以上 
自己負担2割(現在は暫定的に1割)
後期高齢者医療 
2008年(平成20年)より 75歳以上 
自己負担1割(所得によって3割)

これが歴史的変遷です。老人医療の無料は10年で破たんしたのですね。もっと長く継続していたような気がしていました。

厚生省の統計で日本の長寿・高齢化と医療費という資料が紹介されています。平成19年度のものです。
1970年(昭和45年) 
65歳以上人口  7,393,000人 
平均寿命 男69.31 女74.66
2005年(平成17年) 
65歳以上人口 25,672,000人 
平均寿命 男78.56 女85.52
1970年の国民医療費  24,962億円
2005年の国民医療費 331,289億円

1973年の老人医療無料の時の平均寿命は約70歳。つまり当時は平均年齢を超えた人たちへのサービスだったわけです。それを今日に単純に移動すると平均年齢から考えて80歳以上が老人医療の対象となってしまいます。ここに予算の難しさがあるのですね。しかも高度医療の進歩から医療費は鰻昇り。

こうした問題にどう対処していくのか。しかも今まで経済を支えていた団塊の世代があと数年で受ける側に回ります。医療費の破たんは目に見えています。

講師の澤野先生は次の対処法を述べられました。

投資せよ。
1 貯蓄に励もう!
  負担増への対処
2 健康、体力を増進させよう!
  健康は資本。
3 情報を積極的に集めよう!
  健康情報だけでなく制度情報とその監視

これらが個人でできる対応方だそうです。わたしの始めた経絡導引体操教室も微力ながら健康投資への役割を担っていると思います。

さて、わたしもあと10年で前期高齢者。その時果たしてどうなっているのでしょうか。現在の迷走内閣は「船頭多くして船陸に上がる」ならぬ「船頭不在にして船沈没」という様相を呈しています。
 

2009年3月 3日 (火)
きれいな空気 蕎麦切り「ふ~助」
レストラン紹介のサイトを見ていましたら、ある蕎麦屋さんの紹介記事の中に「店の空気がきれいだ」と書かれていました。それで興味を抱いて早速でかけてみることにしました。

店の名前は蕎麦切り「ふ~助」。東山公園の近くにあるこじんまりとした店。店内はカウンターに10名。4人掛けのテーブルが4つ。蕎麦屋というより江戸前寿司の店のように厨房が丸見えに設えてあります。

店を切り盛りしているのは30代かと思われる店長とその奥さん、女店員2名。計4名。ちょうど昼時で大変混んでいました。

ざるそば、出し巻き卵、季節の天ぷらを注文。店内は清潔で、従業員はてきぱきと仕事をこなしています。店長は出し巻き卵や天ぷらを調理しながら段取りを的確に指示。その有様全てがカウンターキッチンで広く見渡せます。

店長が出し巻き卵を見事に作り上げるところも、店員が大根をおろすところも、みな、カウンターから丸見え。まるで舞台を鑑賞しているようです。そして紹介してあった記事のように、確かに店の空気がきれい。

店内が禁煙であることはもちろんですが、それ以外の空気、雰囲気がきれいなのです。店長が料理する姿も店員が働く姿もみな美しい。そしてもちろん料理も。これは粋とイナセを身上とする蕎麦屋としてはこの上もなく好感のもてるものです。

端正な二枚目の店長が醸し出す清潔な雰囲気もあるでしょう。きびきびと料理をするだけでなく、店内に気を配り、指示を出し、お客に対してあらゆるものを最高の状態で提供した
いという意気込みがうかがえます。まさにきれいな空気の店。減点対象が見当たりませんでした。

それでふと思い出したのが池下の「AGARU」。炭火焼と創作料理のお店で、ここも30代前半の美男美女夫婦が経営。お相撲さんのような焼き専門の料理人とアルバイト1人で稼働している瀟洒なお店です。この店は炭火焼ですから煙が立ち上がります。また、店の性格上、禁煙ではありません。しかし、店長やその奥さんたちの醸し出す雰囲気はやはりきれいな空気なのです。

どちらのお店も開店して一年余りですが、すっかり評判を取って繁盛しています。きれいな空気・・・若い二人の経営者の態度に、わが身を振り返って深く反省し、自分の仕事に生かせたらと感じ入りました。こんなオヤジでもまだまだできるはずです。

ふ~助 
052-782-2266
午前11:30~午後3:00 午後5:00~午後8:00
月曜日休日
東山公園駅4番出口。場所は分かりにくい。

AGARU 
052-752-1141
午後5:00~午前0:00
水曜日休日
池下駅から錦通りを今池方面へ。最初の角。  

花粉症
花粉症の季節です。これは単に鼻や目の病気ではなく全身に何らかの症状が派生していますから、疲労をためないように過ごしてください。

今年は花粉の飛散が多いようです。この病気はある日突然発症します。誰もが罹る病気です。体調の維持も重要な予防でしょうし、罹患しても体調のコントロールである程度軽減できます。ともかく外からも内からもからだを冷やさないことです。そして症状がひどい場合は被曝を避ける対策が必要です。

最近は眠くならない薬も開発されているようです。辛い方は薬を服用することもしかたありません。鼻の穴に塗って花粉を遮断する軟膏もあるようです。いずれにしても上手に対応しないと生活が台無しになってしまいますからね。

訪問リハビリマッサージ
身近で寝たきり介護の方がおられましたら、健康保険による訪問リハビリが可能かもしれません。三島治療室にご相談ください。

何らかの原因で寝たままですとどんどん状況が悪くなります。本人の心身の衰えだけでなく家族も辛い先の見えない現実の中で蟻地獄に落ちたように困窮していきます。そうならないためには周囲の助けがとても重要です。困ったなと思ったら早めに保健師や社会福祉士、ケアマネージャーなどに相談することです。なにより行き詰る前に相談しておくことが大切ですから、周囲にそのような困窮者がおられましたら助言してあげてください。病院
や保健所、市役所などに窓口があります。

三島治療室では訪問によるリハビリマッサージを行っています。動けない人はマッサージや他動運動、動ける人はその能力に応じた機能訓練・・・寝返る、座る、立つ、車椅子に移乗する、歩く・・・少しでも日常生活を快適に過ごすための協力いたします。

リハビリテーションは社会復帰という意味です。マッサージや機能訓練などの治療はそのごく一部。人との会話、買い物や図書館へ行く、友達と喫茶店で会う、これら生活の全てがリハビリなのです。そしてその先には大きな目標、たとえば旅行にでかける、職場に復帰するなどがあります。

リハビリはそうした生きる目的を叶えるために日常で行うものです。未来への展望がないとリハビリ自体が目的になります。リハビリが目的化することは生きる励みという点で否定できませんが、その先の目的があったほうがより励みになります。展望や目的がないリハビリは、時に施術者や家族から強いられたいわゆるリハビリ地獄になってしまいます。

残された能力をどのように発展していくか、これがリハビリです。

NHKでリハビリ難民の特集をしていましたが、残念ながら訪問マッサージのことは取り上げられませんでした。わたしはすでに訪問リハビリマッサージを30年間継続しています。
これからも身体の許す限り関わっていくつもりです。

(游)

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