インフルエンザ対策にみる東大と京大の違い
先日、京都大学のインフルエンザ対策について掲載しました。
http://h-mishima.cocolog-nifty.com/yukijuku/2009/05/post-49c1.html
ついでに日本の大学の雄である東京大学も覗いてみました。
http://www.u-tokyo.ac.jp/gen03/public10_07_j.html
―以下引用―
<毎日の体温測定の要請、発熱等のある者の構内立ち入りの制限>
毎日、登校・出勤前に体温を計測してください。
37.5℃以上の発熱およびのどの痛み、鼻汁、咳等の症状の認められた場合は、所属する関係係(学生の連絡窓口)へ連絡のうえ、無理に登校・出勤せず、最寄りの保健所(下記参照)または発熱相談センターに相談してください。
学外からの来訪者の方にも、発熱のある場合は入構を遠慮いただくようお願いします(大学病院受診の方は、受診に必要な場所以外には立ち入らないでください)。
<不要不急の外出の自粛、研究会・課外活動等を含む集会の開催についての検討>
当分の間、不要不急の外出を自粛してください。
集団、人ごみの中ではウィルス感染の危険が増えますので、研究会・課外活動等を含む各種の集会はその開催時期と必要性をご検討ください。
<日常の生活上の注意>
世界的な新型インフルエンザ流行が終息する時期を予測することは困難です。
各位におかれましては、新型インフルエンザの居住・通勤・通学地域における流行状況についても、最新の情報を入手に心がけ、外出する場合は極力マスクを着用し、人混みを避ける、うがい、手洗いなどの対応をしてください。
<患者発生国から帰国した方等へのお願い>
検疫や保健所の指示に従って下さい。なお、国内での感染地域から帰られた方は、体温測定などの健康管理に特に留意し、異常を感じたら、前掲のとおり適切に対応ください。
<今後の対応>
東京大学の施設の所在する地域で新型インフルエンザの感染が拡大した場合には、必要な措置(休校を含む)をとります。
―引用ここまで―
手洗いやマスクの励行、休校を含む措置を行うなど、行政から一般に向けられた広報と同じような内容でした。
先述した京都大学は全く異なった対応です。京都の大学が概ね休校になったのにわれ関せず、通常通りの日常を呼び掛けたのです。
「このインフルエンザに効くワクチンは当分ありません。発症してしまった人はちょっと辛いのですが、これで免疫を獲得して今後同じタイプのインフルエンザにはかかりにくくなることが期待できますし、公衆衛生的観点からは集団免疫の成立にも貢献することになります。賢く行動してやり過ごしましょう。」
感染することは辛いが集団免疫の成立に役立つという極めて理性的な対応。「賢く行動してやり過ごしましょう」はまさに大学ならではの見解と決意表明で感心しました。
しかし、京都大学の対策は一般常識からかなり遊離したものなのでしょう。
ここで誰もが思うこと。それは東大は官僚的で卒業後は役人になる人が多い、それに対して京大は反骨的自由な校風、ノーベル賞学者を輩出しているということです。
果たしてそんなに単純にステロタイプできるかどうかは分かりませんが、日本を代表し、東西の要となっている最高学府のそれぞれの横顔がインフルエンザ対策を通してチラリと見えたような気がします。
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