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2009年1月

2009年1月28日 (水)

メキシコから

昨日、治療中突然の来訪者。

「以前お世話になったFです」

記憶がありません。

ドアを開けたら、以前鍼灸学校に学びながらここへ出入りしていたF君。

誰かが一緒です。

続いて入ってきたのはとても美しい女性。

F君は鍼灸学校を出た後、近くの原病院に就職したはずでした。

ところが今目の前にいる彼はメキシコで鍼灸院を開業し、現地の女性と結婚したといいます。驚きました。実に7年ぶりの来訪です。

「どうしてメキシコに?」

「あれからいろいろありまして、でも、先生のお陰でこうして元気にやっています。彼女と知り合うこともできました」

「ぼくのお陰?なぜ?」

「先生はおっしゃいました。せっかく開業できる正規の資格を手にしたのだから、自分で苦労してみることも価値があるよと。確かに病院に勤務すると安定しています。それでこのままでもいいかなと思っていましたが何か物足らない。そのとき、メキシコのへき地医療のボランティアの話があって出かけたのです。そのまま現地が気に行って住み着き、大変な日々ですが今はメキシコシティーにオフィスを構えることができました。口コミで患者さんもきて頑張っています」

意外な話でした。苦労しなさいと言ったのか言わなかったのかこちらは無責任ですから覚えていません。しかし、そんな何気ない一言を心の奥に秘め、行動し、実現し、こうして感謝の言葉を述べにわざわざやってくる。

何とも感動的なことでした。

文化の違う国、保険制度も確立しておらず、医師にかかることは大変な経済的負担があるそうです。日本で開業していれば難しい患者は医師に丸投げできますが、メキシコでは医師にかからないので奥にどんな病気が潜んでいるか分かりません。それは怖いことだとF君は言います。

戦前、医療制度が確立せず、また西洋医学も抗生剤を持たない時代、鍼灸の先輩方は鍼と艾だけで結核やガンにも立ち向かっていました。

まさにF君の立場はそうです。

困難と遣り甲斐は正比例するものかも知れません。

頑張って欲しいものです。

F君、これを読んでいますか。

言い忘れましたが、最新の鍼灸医学書もいいですが、戦前戦後に書かれた「代田文誌」先生の『鍼灸真髄』などは結核などの難病と対峙した記録に満ちています。古いが故に参考なると思いますよ。

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2009年1月24日 (土)

高年大学

昨日、名古屋市高年大学鯱城学園で講義をしてきました。

そこは中区の消防署の上にある立派な施設です。

今年で講義すること8年目。

当初は受講者がおじいさんやおばあさんばかりだと思っていましたが、いつしか自分も入学資格に近付いてきたことを実感しています。入学資格は60歳です。

演目は「からだで学ぶ東洋医療」。

医学と医療の違いや、中国の古い考え方である陰陽五行を説明しました。

漢方医学の根本は「天人合一」。

外部環境である大宇宙と内部環境である小宇宙(人体)との調和が大事だということです。

講義の中で、身体は外部環境である空、陸、海を体内に取り込むことでいのちを保持しているという話をしました。

空とは呼吸で吸い込む空気。東洋医療では天の気といいます。これは肺として存在します。

陸は腸を中心とした消化器。地の気をいのちに変える器官です。面白いことに畑の土に有用菌がいるのと同じように腸内細菌がいます。

海は血液。いのちは海に産まれ陸に上がりました。その時、体内に海を維持することでそれが可能になったのです。血液とはまさに体内にある海。血潮とはうまく言ったものと感心しています。

これら陸海空を体内に持つことでいのちを保っているのです。

という話をすると以前の学生さんは「まるで軍隊みたいだ」と反応しました。

多くの方が軍隊経験者だったのです。

ところが今の学生さんは軍隊経験はありません。

8年という年月の重さに気づかされました。

同じ内容の講義を今度は別のクラスで2月6日に行います。

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2009年1月21日 (水)

経絡導引教室

毎週土曜日午前中は春岡コミュニケーションセンターでのクラス。

治療の隙間に行うのでちょっと忙しいです。

今月のテーマは肺経と丹田。そして中心軸。

といっても一か月でどうこうできるものではありませんから、復習の繰り返しになることでしょう。

経絡は二月には大腸経に移ります。

まだ手探りですが、簡単な理論を織り込んで経絡の理解を知識と実感の両面から取り上げていこうと考えています。

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愛知大学講座

先週は胆のうおよび胆経についてのお話。

実際のところ胆のうと胆経の関連は薄く、東洋医療の胆は行動力の決め手、決断に深く関わるものという概念的説明しかできません。

古典には「胆は中正の官、決断出づ」と書かれています。

さらに「肝は将軍の官、謀慮出づ」とも。・・・ちょっと不確か(^_^;)

胆と肝は陰陽の関係にあり、今日でも「肝胆相照らす」という言葉として残っています。

胆経の特徴は体側を走っていることです。

少陽である三焦は上肢外側を、胆は側頭部から体側、下肢外側を走ります。

これは外部からの防衛と行動を主に司ると考えられ、三焦は防衛を胆は行動に深くかかわると理解します。

筋肉や関節など支持器官は肝胆の役割が大きく関与すると考えています。

また、目の疲れも肝胆に影響を与え、筋肉を強張らせ、腰痛などの原因になると推測しています。

明日の講座は肝臓。

これで十二経絡を一巡したことになります。

肝胆は身体を捻じる動作が身体に軌跡として刻まれたように走行していますから、それを説明すると同時に、経絡を展開する導引体操を行います。

始まったばかりだと思っていましたが後残すところ二回。

早いものです。

事務局では既に春の講座の生徒を募集しているようです。

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2009年1月18日 (日)

経絡エクササイズ

昨日、春岡コミュニティーセンターで二回目の経絡導引教室を行いました。

今月のテーマは肺経と丹田です。

基本的な導引体操とわたしが考案した経絡導引(経絡エクササイズ)を1時間半にわたって実習しました。

脱力と中心軸の実感に多くの時間を割きました。

会場がなかなか暖まらなくてリラックスしずらかったのが問題点。

早めに部屋をあたためなければいけませんね。

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愛知学院大学モーニングセミナー

第33回めのモーニングセミナーは今月の13日に開催されましたが、出席できませんでした。

テーマは「他人事ではない糖尿病・・・あなたは大丈夫ですか!?」-そもそも糖尿病とはどんな病気?-です。

当日の資料と動画が愛知学院大学のHPに書かれていますからご覧ください。

糖尿病に関して大変分かりやすく説明されています。

愛知学院大学

http://www.agu-web.jp/~seminar/index.php?ID=23

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2009年1月12日 (月)

経絡導引教室へのお誘い

游氣会
経絡導引体操教室

東洋医療の考えと技法に基づく呼吸体操「経絡導引」を指導します。
経絡の流れや用い方、ツボの位置を実践的に勉強しつつ、骨格や内臓の学習を行います
。
上中下、三つの丹田の体感、中心軸、左右軸、前後軸、水平軸などの体感。
呼吸法と脱力した動作、歩法。
日常的な立ち居振る舞いや仕草、物腰の基礎となる経絡的身体操法を身に着け、人生を
有意義に深めていきましょう。

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会場:春岡コミュニティセンター
名古屋市千種区春岡二丁目5-44(春岡小学校北隣)
(今池と池下の中間、駅から徒歩10分)
日時:毎週土曜日午前中10時半から12時(第5土曜日は自主練習)
原則として月4回開催(盆、正月など異動あり)
入会金:2000円(クライアントおよび愛大講義終了者は免除)
月会費:5000円
持ち物:体操着 体操靴 タオル 床に敷く物(バスタオルやヨガマットなど)

見学・体験入会は随時受け付けています。

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游氣会 主宰:三島広志
鍼灸師・介護支援専門員・介護予防運動指導員
愛知大学オープンカレッジ講師
名古屋市高年大学鯱城学園講師
464-0850 名古屋市千種区今池5-3-6-303
tel:052-733-2253 fax:020-4622-8762
h-mishima@nifty.com
http://homepage3.nifty.com/yukijuku/
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