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2008年10月

2008年10月31日 (金)

振り込め詐欺メール

知り合いの外国人から次のようなメールが届きました。

その人のアドレスからきちんと届いたメールです。

ただし、原文には行分けがなく読みにくいので、所々行を切りました。

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Hi
How are you doing?

I am sorry i did'nt inform you about my traveling to Africa for a program called Empowering Youth To Fight HIV /AIDS and the program has takes place in Ouagadougou,Kinshasa this year and now in Lagos.

I need your help because i forgot my little bag in a taxi where my wallet and my ticket were kept and i am in terrible bad situation right now.

I am having a little problem with the hotel about the hotel bill payment that i am owning and i kept the money to pay the hotel bill inside the wallet now the hotel management want me to pay the bill as soon as possible.

Please i want you to help me for the money to pay the hotel bill and the bill is $1,900 and with another extra sum of $1,000 to feed and to help myself back home. 

I want you to lend me $2,900 and i promise to refund your money back to you when i return.

I will appreciate what so ever amount you can afford to lend me and below is the details to send the money to by western union money transfer.

I look forward to read from you once the money is send and reply me back with the control number to receive the money at western union.

Best Regards

Receiver's Name :--- (知人の名前)


City:-- Lagos Island
State:- Lagos. Country:-- Nigeria
Text Question: (パスワード)
Text Answer:  (パスワード)

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一人称の「I」が大文字だったり小文字だったり、あるいは「and」がやたらと使われていたりとずいぶん稚拙な文章です。

内容はエイズの調査にアフリカにいるが財布をタクシーで無くしたのでホテル代や食事代に困っている、必ず返すからお金を送って欲しいというもの。

このアドレスの主は確かにアフリカにエイズの調査に行っていてもおかしくないキャリアの外国人です。しかし今は子育てに忙しいはず。

自宅に電話をしたら本人が苦笑しながら出てきました。先ほどからこの件で電話が掛かりっぱなしだとか。律儀に返事を出したら詐欺師から再び返事がきた人もいるそうです。

アドレスが悪用されてしまったのですね。その方のアドレスはHPで公開されているから悪意があれば何とでも使用できます。

もっとも、かの外国人はお金にゆとりがある方ですからこれが詐欺だとすぐに分かりました。

しかし、これが私のアドレスからの金の無心なら、それは振り込め詐欺ではなく本当のことです。その時はアフリカなどという非現実な場所ではなく、近所の焼き鳥屋で支払いが滞ってしまい店長に縛り上げられている状況だと思います。速やかに送金してください。

冗談はともかく、気を付けましょう。

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2008年10月30日 (木)

解剖図

今日は愛知大学で五回目の講義。

「胃」とその東洋医療的見解を話し、胃経の経絡導引を練習しました。

生物は「個体保存」と「種族保存」を行う。

その基礎が食。

「生物的食」は「人間的食」になると欲望(知識欲、名誉欲、金銭欲など)として拡大されるという話。

胃経は眼とこめかみの上から始まり、喉を下り、胸を降り、乳頭を通過、臍の両横から大腿四頭筋中央、下腿の脛骨外側を通って足の人差し指で終わります。

それは食物を見つけ、歩み寄り、咀嚼し、嚥下するという一連に関係づけると覚えやすいものです。

実際に胃経に触ったり触られたりして経絡の実感をし、さらにそれに先立って「触れる」という稽古も行いました。

今日は解剖図の手ごろなものを発見したのでプリントして配布。

gooのヘルスケアというサイトに素晴らしいものがあったのです。感謝。

http://health.goo.ne.jp/medical/mame/karada/index.html

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2008年10月27日 (月)

朋あり遠方より・・・

土曜日、九州で仕事をしているS君が治療に来ました。

彼は高校の同期。柔道部で一緒に汗をかいた仲間です。

高校を出た後は会う機会がなく、6年前に刑事をしている友人に誘われて彼のホテルへ飲みに行ったのが唯一の再会でした。

S君は現在、そのホテルチェーンで九州の二つのホテルの総支配人を任されているという多忙な男です。

多忙故か、少し肩や腕に問題が出てきて、名古屋に戻ったついでに私の治療室へ来たのでした。

彼は今でこそ総支配人らしい風格を醸し出していますが、高校時代は長身痩躯の爽やかな少年でした。

長身痩躯の若者にありがちな病気、自然気胸を患い入院したことがあります。柔道部の仲間で見舞いに行き、遅くまで病室で騒いで看護婦さんからひどく怒られたことを思い出しました。

少年時代の思い出は他愛ないことでも妙に濃密なものです。

土曜日は忙しかったのでゆっくり話すこともできませんでしたが、「朋あり、遠方より来たる。また楽しからずや」とちょっとした感慨に浸る一瞬でした。

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2008年10月19日 (日)

金融と陰陽五行

知人のブログに金融危機のことが書いてありました。

その方は

「株など持たないし、生命保険にも加入していないから自分には関係ない」

というのです。

わたしも株など持たないし貯金もありませんから、直接の関係はありません。

しかし、

と、そのブログに別の方がコメントを寄せていました。

「政府も企業も為替や株で資金を運用している。

もはや誰もが金融の影響下にあって、そこから逃れることはできないのだ」

と。

これもまた正しい意見でしょう。

知人は博識と見識のある人ですから株の暴落は持たない人にも大きな影響を与えていることは十分承知の上で冗談で書いたのです。そこに別の方がまじめにコメントを付けたようです。

そこから東洋医療入門に関わることに思いが至りました。

中国に古くから伝わる考え方として「陰陽五行」というものがあります。

「陰陽」は月と太陽のこと。

現象の中にそれぞれ月と太陽のように相反する性質を見出していく思考方法です。

それは弁証法の「正」と「反」を「止揚」して「合」という結論を見出していくという思考の運動に似ています。

指圧の恩師増永静人先生も「陰陽と」いう考え方はよく利用されていました。

しかし、先生は「五行」は採用されませんでした。

理由は分かりませんが、きっと「五行」はあまりにも観念的過ぎて指圧や医療を解くための論拠として役に立たないと考えられたのでしょう。

「五行」とは森羅万象は「木・火・土・金・水」の五つの要素からなり、それらが影響し合っているという考え方です。この考え方は政治や経済、医療、戦略、易、暦など広く用いられています。

森羅万象をいくつかの要素に分ける思考方法は中国独自のものではありません。古代ギリシャにも似た考えはあったようですし、古代インドから中国に伝わったという説もあります。

五行説では

「木は火を産み、火は土を産む。土は金を産み、金は水を産む。水は木を産む」

という円環があるとしています。これを相生関係といいます。母子関係ともいいます。

さらに、

「木は土を攻め、土は水を攻め、水は火を攻め、火は木を攻める」

という関係があり、これを相剋関係と呼びます。

身体でいうと

「肝は木で、心は火、脾は土、肺は金、腎は水」。

ただしこれら内臓は古典医学の物で現代医学のそれとは異なります。

五行で考えると肝は心臓母となり、肝は脾を攻めるということになります。

鍼灸や漢方では現在でもこの考え方を採用しているグループがあります。また否定しているグループもあります。

先述したように、増永先生は「陰陽」は採用したのですが、「五行」は論理として採用するには根拠がないのでしょう、否定的でした。わたしも「陰陽」はものの見方として利用しますが、「五行」は知識として留めています。

では「五行」をどう捉えたらいいのでしょうか。

わたしは「五行」は全てのものは互いに関連し合っているという思想のモデルだと考えています。森羅万象は全て関係の中に成立しています。一つのものだけが孤立しているわけではありません。科学ではそれを敢えて個別の物として抽出して研究しています。しかしそれをそのまま現実に置き換えることはできません。

「五行」はそうした関係性の中に森羅万象が存在していると教えてくれているのです。

冒頭の話題に戻りましょう。

経済も金融も政治も同じです。わたしたちはそれらとの関係の中にあって存在しています。時に翻弄され、時に利用し。

株価の暴落は否応なく生活に影響してきます。これが「五行」の説く関係なのです。

先のブログに書いた人は続けて

「いずれ国内だけで生活や経済の基盤ができればいいが、それは無理な話でしょう」

というようなことを書いていました。全くその通り、無理だと思います。

鎖国時代の1734年、一冊の本がオランダで出版されました。解剖図譜「ターヘルアナトミア」です。それから40年後、わずか40年後に「解体新書」として翻訳されました。あの鎖国時代においてさえこの影響力。これ以後日本の医療は大きく変わっていきます。「風が吹くと桶屋が儲かる」というよに遠い変化も何らかの影響力を持って関係してい来るのです。

地球環境も、また金融や為替のような社会環境も、一見、離れたところにあるように見えて、実は生活に大きな影響を与えてきます。こうした関係を離れて、つまり自然や社会、あるいは時間的な関係も無視できない、これが「五行」の意味するところなのでしょう。

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2008年10月14日 (火)

環境や食糧問題のブログ

環境問題や食糧問題、こうした疑問に対して参考にするブログがいくつかあります。

それらは一般のマスコミの論調とは明らかに異なっています。

地球温暖化に否を唱えたり、食料自給率を上げることへの問題点などを別の視点から分かりやすく書いてあるのです。

参考にしてみてください。

武田邦彦(中部大学)

http://takedanet.com/

うなぎを見れば日本が見える

http://unagi-kiken.seesaa.net/

森羅情報サービス

http://www.kenji.ne.jp/blog/

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笑いは脳を活性化する!

愛知学院大学モーニングセミナーに行ってきました。

今回で31回だそうです。私は8割以上は出席しています。

本日の演題は

笑いは脳を活性化する!

―あなたも笑って健康!!―

講師は金城大学人間科学部教授 森下伸也先生。

タイトル通り愉快なお話でした。

のっけから某大学の入試問題が紹介されました。

「おい、メアリー、

赤ん坊がマッチをのみこんじゃったぞ」

「じゃあ、このライターを使いなさいな」

このユーモアについて論考を述べるのが試験問題のようです。

さらにもう1問あります。

朝日新聞連載の4コマ漫画、いしいひさいち作『ののちゃん』。

これはマンガですから紹介できません。セリフだけを書きましょう。

1コマ目

「校長センセ知らない?」

「倉庫の修理じゃないですか?」

「確かフェンスの修理を。」

2コマ目

「焼却炉の修理ですよ。」

「いや、トイレの水道の修理のはず。」

3コマ目

「ふう、どこかの修理じゃあ、どこだかわからないわ。」

「校内アナウンスすれば。」

「古くてこわれてるんです。」

4コマ目

放送室

「校長センセ!」

というものです。

この漫画について考察するのも入試問題。

東京大学の入試だそうです。

400字詰めで6枚。

粋な問題ですね。

この後、サラリーマン川柳の話とたたみこんで少し難しい話に移ります。

笑いの医学的効果

1 笑いは膠原病にきく  N.カズンズの体験

2 笑いはがんにきく  NK細胞の活性化

3 笑いはリウマチにきく  インターロイキン6(発痛物質)の抑制

4 笑いはストレスにきく  コルチゾール(ストレスホルモン)の抑制 

5 笑いは糖尿病にきく  遺伝子への作用

6 笑いは脳にきく

  1 脳の活性化

  2 脳血流の上昇 ボケ予防

  3 βエンドルフィン分泌 脳内モルヒネ、快楽物質の活性

笑いで膠原病が治ったという本はベストセラーになりました。そして確か岡山の病院の先生ががん患者を吉本興業へ連れて行って笑いの効果を検証したことも話題になりました。

糖尿病に関しては実体験があります。

ある訪問リハビリに行っている患者さんが糖尿病なのですが、脳の損傷のために感情失禁でとてもよく笑うのです。その方の糖尿病が特に治療もしないのに安定していて主治医が「○○さんはよく笑うからかもしれないね」とおっしゃっていたのが印象に残っています。

脳内にエンドルフィンが出るのは鍼やマッサージでも立証されていますから、治療に笑いを取り入れるのはさらに効果的だと思われます。

笑いの構造を研究したケストラーという人によると、ジョークは無数の構造の中から二つの構造を結合させることで発生するのだそうです。つまり、一見違った現象の中から構造を見つけ、他の構造と結びつけた時に笑いが生まれるのです。そしてそれは直感によってなされます。

ジョークとは二つの連想を結合させる二元結合という知的行為。ユダヤのヘブライ語では叡智とジョークは同じホフマという言葉なのだそうです。その能力は学問や芸術でも大いに発揮されるのです。

講演の詳細は近いうちに愛知学院大学のHPにアップされますからご覧ください。http://www.agu-web.jp/~seminar/

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2008年10月 6日 (月)

緑茶と糖尿病 朝日新聞より」

新聞で興味深い記事を見かけました。

緑茶を飲むことで境界型の糖尿病の改善や発症の遅延効果あったというものです。

きちんとした研究ですし、日常的な飲み物ですから参考になるかと思います。

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糖尿病のなりかけに「緑茶が効果」 1日7杯で血糖値改善

http://www.asahi.com/science/update/1004/TKY200810040094.html

2008年10月4日15時21分

 緑茶を1日に7杯分ほど飲むことで、糖尿病になりかかっている人たちの血糖値が改善することが、静岡県立大などの研究でわかった。健康な人で緑茶をよく飲んでいると糖尿病になりにくいという報告はあるが、高血糖の人たちの値が下がることを確認した報告は珍しいという。

 血糖値が高めで、糖尿病と診断される手前の「境界型」などに該当する会社員ら60人に協力してもらった。

 緑茶に含まれる渋み成分のカテキンの摂取量を一定にするため、いったんいれたお茶を乾燥させるなどして実験用の粉末を作製。これを毎日、湯に溶かして飲むグループと、飲まないグループに無作為に分け、2カ月後の血糖値を比べた。

 平均的な血糖値の変化を、「Hb(ヘモグロビン)A1c」という指標でみると、緑茶粉末を飲んだ人たちは当初の6.2%が、2カ月後に5.9%に下がった。飲まなかった人たちは変わらなかった。飲まなかった人たちに改めて飲んでもらうと、同じように2カ月間で6.1%から5.9%に下がった。

 一般にHbA1cが6.1%以上だと糖尿病の疑いがあるとされ、6.5%以上だと糖尿病と即断される。逆に患者の血糖値を5.8%未満に維持できれば優れた管理とされる。今回の成果は、糖尿病一歩手前の人が緑茶をたくさん飲むことで、糖尿病にならずに済んだり、発症を遅らせたりできる可能性を示した。

 2グループで体格や摂取エネルギーなどに差はなく、緑茶からのカテキン摂取量が血糖値に影響したらしい。1日分の緑茶粉末は一般的な濃さの緑茶で湯飲み(約100ミリリットル)約5杯分のカテキンを含み、緑茶粉末を飲んだ人では普通に飲んだ緑茶と合わせ1日に約7杯分のカテキンをとっていた。

 研究の中心で、今春に静岡県立大から移った吹野洋子・常磐大教授(公衆栄養学)は「運動などの生活習慣改善とともに、食事の中で積極的に緑茶を取り入れてほしい」といっている。(田村建二)

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ただのお茶ですから試してみてもいいですね。

ただし普段の食生活が肝心であることは言うまでもありません。

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