ツボの位置 WHO会議
つぼの位置を国際的に統一
茨城でWHO会議
全身に361カ所存在し、日本、中国、韓国の間でずれがあった、はり・きゅうの「つぼ」の位置が、茨城県つくば市で開かれた世界保健機関(WHO)の会議で国際的に統一された。これを機にはり・きゅうの国際的な研究の進展が期待され、欧米での普及にも拍車がかかりそうだ。
はり・きゅうの発祥は2000年以上前の中国。間もなく朝鮮半島を経由して日本に入った。東洋の伝統医学として発展してきたが、1970年代にはり麻酔の効果が知られるようになると、欧米の医学会にもはり・きゅうを積極的に取り入れようとする動きが出てきた。
1989年、WHOは361カ所のつぼの国際的表記を統一した。ところが、つぼの位置については、はり・きゅうの歴史を持つ日本、中国、韓国の3カ国で若干異なっていた。この統一を図ろうと2003年、3カ国間で初めてWHOの諮問会議が開かれた。
当初、つぼの位置にずれがあったのは92カ所。59の古典を参考に3年間会議を重ね、最も伝統に忠実で公式部位にふさわしい位置を話し合ってきた。
最後まで議論がまとまらなかった「労宮」や「中衝」など、手、顔、腰部の6カ所についてどう記述するかが11月の最終会議の議題だった。参加した9カ国とWHOなど2機関の代表者の投票により多数決で公式部位を決定した。
これらの結果、日本では約40カ所のつぼの位置が従来の基準と異なることに。ずれは数ミリから大きなものでは約10センチにもなり、今後、教科書や国家試験の基準の見直しが検討される。
☆☆☆☆☆☆
上記の記事が中日新聞に掲載されていました。
前から国際的に問題になっていたのですが、一般の臨床にはあまり関係ない話ですからなかなか動きませんでした。しかし研究者は学会発表の時、ツボの位置が異なっていては話にならないので、こうして国際的に決定されたようです。
本家中国では当然自分たちの位置が本当だと思っていたことでしょう。日本に鍼灸が伝わったのは奈良時代以前。すでに大宝律令には国の制度の中に鍼灸や按摩が取り入れられています。
日本より先輩の韓国や本家の中国、それぞれが歴史的に異なった変化をしてきたのが原因でツボの位置がずれてきたのです。
こうした問題が一般の人の耳目を集め、国家試験まであるという事実が広まるのはいいことです。
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