愛知学院大学で行なわれている月一回の早朝セミナーに行ってきました。
今月のテーマは「さりげない日常動作と骨の健康維持」・・骨粗しょう症の予防と日常運動・・
講師は中京大学教養部長 鷲見勝博教授。
当日頂いたプリントを元に内容の紹介をします。
運動不足は肥満の元
肥満は高血圧、糖尿病、骨粗しょう症、更年期障害などの原因になる。さらに高脂血症から動脈硬化、そして虚血性心疾患。これらが互いに影響を与え合って病気になる。さらに外因としてストレスや喫煙もそれらを助長する。
運動不足は筋力の低下の元
筋力低下はバランス能力低下から転倒、骨折そして日常の生活能力の低下をきたす。
骨の代謝
骨は一年ですっかり入れ替わる。運動は筋力を高め骨の代謝を高める。つまり元気のいい骨を作る。
それに対して筋繊維は一生変わらない。だから筋力トレーニングできる。
骨粗しょう症の危険因子
内的要因
ホルモン因子(女性ホルモン 閉経 卵巣機能異常など)
加齢因子(高年齢)
遺伝因子(人種 白人はアジア人より骨が強いなど)
外的因子
運動因子(運動不足)
栄養因子(痩せ 低栄養 ダイエット カルシウム不足など)
生活習慣因子(喫煙 飲酒など)
続発性要因
ステロイド服用 卵巣摘出 甲状腺機能亢進 糖尿病など
上記に対して努力の余地があるのは運動と栄養。
三十歳までにしっかりカルシウムと運動をしておくことが大切。
高齢者でも努力は有効。諦めない。
更年期と閉経
更年期
期間 閉経前後5年くらい
平均的な期間 42歳から55歳
閉経
更年期に起こる最終月経
日本人の平均閉経年齢 51歳
運動と骨のリモデリング
1 骨への機械的刺激 骨代謝昂進
2 全身的なカルシウムの恒常性 骨密度維持
1と2によって筋と関節の連携伸展・屈曲+骨への荷重負荷 骨量の維持・向上・減少の抑制
運動は筋力トレーニング、ウォーキング、ストレッチいずれも効果が見られた。但し、種類によって効果の出る場所が異なる。
EBMによる骨折リスク減少に効果的な運動
(EBMとは根拠あるという意味)
1 歩行などの活動性の高い運動:1日30分から60分が骨に効果的
2 週2回筋力を中心とした運動:大腿四頭筋の増強は骨密度増加
3 週1回三年間重量負荷運動プログラム(最大静的運動):骨量に効果なし 動きの無い筋力トレーニングは骨量に影響しない
4 最大心拍数の60%レベルで1日50分、週4回のランニング、歩行運動:骨密度を高める 最大心拍数=220-年齢
5 レジスタンストレーニングの実施:筋量、バランス感覚、身体活動性を高める
転倒・骨粗しょう症予防を目的とした中・高齢者の運動実施を考える
・運動能力の把握
・プログラムの策定
・最低週1から2回、1回30から60分の運動
・家庭や地域で実施可能な運動方法を導入(個人の活動性を考慮する)
・可能であればアドバイザーの常駐する施設を利用する(気分転換)
・柔軟性、筋力、呼吸循環、全身持久性を考慮した運動が望ましい
有酸素運動で脂肪の代謝や女性ホルモンの産出が行なわれる
善玉コレステロールが増える
運動の習慣化への自助努力
(米国国立老化医学研究所指針)
・肥満や糖尿病など慢性疾患のリスクの軽減に効果的な運動は軽度から中程度のかなり少ない運動量でも十分効果が認められる。
・従来の健康保持増進を目的とした運動は心肺能力の向上(有酸素運動・ジョギング・エアロビクスなど)が中心であった。しかし、軽い筋力トレーニングやストレッチを併用すれば慢性疾患の予防や回復により効果的である。
・1回に10分以上の運動を1日に合計30分以上、ほぼ毎日実施すれば十分に効果が期待できる。
運動の強度と血中乳酸濃度
筋肉痛は乳酸の蓄積。運動抑制物質。筋肉痛がでるまでやらなくても効果がある。
体力増加から病気の予防へ
運動に対する意識を変えると
運動の親近感
生活・仕事などのスケジュール調整が容易
高齢者病後衰弱者でも可能
となる。そのためには
ローインパクトエクササイズ(日常生活の身体活動+軽筋力トレーニング+ストレッチ)が最適である。それによって「生活の自立 骨粗しょう症や病気再発予防」が可能となる。
最近のコメント