俳句の読み
俳句は五七五という定型であり、歴史的仮名遣いという古い表記をしますから、馴染みのない方には読みにくい部分があります。
先だって、わたしが所属している『藍生』の結社誌を手にした知人が面白い読みをされました。
木枯の鴉はぐれたらしく啼く 磯部まさる
作者は東京在住の編集者です。
この句を知人は
木枯の鴉は ぐれたらしく 啼く
と読みました。
鴉がグレた?
これは面白い解釈です。
しかし、作者の思いは
木枯の鴉 はぐれたらしく 啼く
つまり 木枯しが吹きすさぶ中、一羽の鴉が啼いている。きっと仲間からはぐれて淋しく啼いているのだろう。
ということです。
しかし、俳句になじみの無い知人は鴉がぐれた、つまり不良になったと理解したのです。
作者の意図とは違いますが面白い解釈です。
ちなみに「ぐれる」には「予期したこととくいちがう」という意味があります。
まさに知人の解釈は「ぐれ」たものでした。
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